15日(土)、16(日)の連休に大勢のファミリーが来場しました。インターゾーンの工作コーナー(デメーテル・キッズクラブ)では、テーブルにある色んな工作や道具から、自由に選んで作ることができます。2日間で60名以上のお子さんが、工作やワークシートのお絵かきをしました。
競馬場の厩舎の周りには柏の林があり、どんぐりがいっぱい落ちています。そのどんぐりを使って、やじろべえや子馬、首飾り等のおもちゃを作って楽しみました。お母さんたちも針がねを使って、子馬に挑戦します。「拾ったいただけのどんぐりも、遊べるおもちゃになるんだね。家でもやってみようかな」と話してくれた女の子もいました。
また、紙皿で顔のレリーフを作ったり、1枚の紙から8頁の絵本を作りました。展示コーナーでは、ワークシートや工作が飾られます。子どもたちが、自分が作った作品をお父さんやお母さんに、指をさして教えている光景も見られました。
デメーテル・キッズクラブは、海外では身近なチルドレン・ミュージアムのように、子どもたちが自由に工作を選んで制作したり、展示できる「場」づくりを目指しました。集まった子どもたち同士に会話が自然と生まれたり、ワークシートを通して、作品の感想を話し合う親子もいました。秋のデメーテルも、子どもたちの歓声でにぎわっています。
デメーテル・キッズ大集合!学校のお友だちも来たよ
十勝管内や釧路など近隣の市町村から、多くの学校の子どもたちが授業や部活動で来場しました。900人近くの幼稚園から中学生が、学校の授業で作品鑑賞やワークショップを楽しみました。セルフガイドの「スクール・パスポート」や学校の要望に合わせてワークショップも実施しました。学校向けの教育普及について、セルフガイドとワークショップや全体の様子をご紹介します。
1.セルフガイド「スクール・パスポート」
マナークイズと5つの作品を探すクイズがついています。楽しく作品を見るマナークイズは他の美術館でもおなじみのお約束です。初めて美術展に来た子どもたちも、鑑賞マナーについて勉強することができました。5つのクイズは、「よつば」のマークを探したり、インゴ・ギュンターの作品の「骨の動物は何?」などの問題です。作品をよく観察して、推理する問題です。子どもたちはセルフガイドを片手に広い会場を回りました。牛乳ケースの「よつば」のマークを見つけると、「あったよ!」と教えてくれる子もいました。
2.スクール・ワークショップ
18日、19日の2日間に10校近くの学校が授業で来場しました。ワークショップは、小学1年生をはじめとする事前に要望のあったクラスで実施されます。18日には、中札内小学校の1年生41名がニアル・カフェで、「パピエ・ガトー 紙でつくるお菓子」や「ミニ絵本」などを体験しました。子どもたちは、美味しそうなお菓子を作って遊びます。
19日には、帯広小学校の5年生41名が、川俣正の木道の上で、新聞紙の長い綱に挑戦しました。新聞紙を細長く破って、しばってつなぎます。完成した長い綱にお客さんも驚いていました。その他にも、学校対応のワークショップでは、「フロッタージュ探偵」やデメーテルのワークシートを使ったワークショップが実施されました。
3.全体の様子と教育普及にあたって
デメーテルに来場する子どもたちは、初めて美術展に行ったり、現代アートにふれる新鮮な体験をしました。マナークイズを通して、美術展での鑑賞態度についても学習します。美術展で鑑賞のマナーは、やはり学校だけでなく、実際に展示室に訪れ経験することで習得されます。ただ、見るだけでなく友達をお話をしたり、木馬にふれてその木肌や乗り心地を経験します。オノヨーコのSkyTVのシール集めでは、トイレの中や木の上など面白い場所を見つけ、その意外性に興味を惹かれる子もいます。
デメーテルでは、競馬場という非日常的でありながら、厩務員と馬がともに生活をする空間で、美術作品に触れるという2重の体験があります。「場」の面白さと仲間同士のコミュニケションが、子どもたちの美術への興味関心や文化の受容的態度を育成するヒントになったでしょう。学校が展覧会に足を運び、美術鑑賞を経験することは、地域の芸術文化と学校の連携を考えるきっかけになるでしょう。
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