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2002年08月04(日曜日)11(日曜日)9月1日(日曜日)
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白戸麻衣「クロスライフスタイル」
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8月の1ヵ月を使って、デメーテル・オフィシャルイベントである「クロスライフスタイル」がnIALL(ニアル)カフェで開催されました。
「クロスライフスタイル」は、ファッションをテーマに日常的に接している「衣服」について参加者がどんな考えを持っているのかを探っていくワークショップです。

8/4(日)の第1回は、参加者が2人一組になりパートナーの服装の色・素材やデザインなど細かな部分をリサーチしていきました。塗り絵のキャラクターのように互いの姿を描き合い、普段何気なく感じていてもあまり口にすることのない「衣服」に対する考えや、着用時の感想などを話してもらいました。
今着ている衣服を選ぶまでの過程は、自分の体型・髪型や好み、それから当日の天気や気分など、人によって実に様々でした。他人に映る自分の姿を改めて振り返る第1回では、人に何かを伝える手段が言葉だけではなくその人が身に纏うものにもたくさんのメッセージが含まれていることがわかり、参加者の中には衣服のみならず、姿勢や立ち居振る舞いにも気を配り人と接するよう心掛けている人もいました。
ワークショップの最後には、参加者に第2回までの“宿題”を出しました。これは、自分のワードローブを把握し、普段どのように衣服を着用・選択しているかを調査するというものです。

8/11(日)の第2回は、“宿題”としてのタンスの整理や意識調査をもとに、日頃から感じている衣服に対する思い、自身の傾向などをふまえて「今自分が着てみたい衣服」を実際にデザインしていきました。
“宿題”を行った参加者の年齢層は10〜40代と幅広く、主に10〜20代にはワードローブの中に古着が多くあることがわかりました。また、それをリメイクした服など、買ってきた服に少し手を加えて各々の個性を引き出す工夫を凝らして、毎日の衣生活を楽しんでいる人が多かったです。
ワークショップでは、ファッション雑誌などを部分的に切り抜き、細かなデザイン・色・素材などを決め制作していくために頭の中にあるイメージを具体的な形にしていきました。
「ペアルックではないけども親子でセットの服『天使と悪魔』」「コラージュのように、前見ごろだけを張り替えて着る服」などユニークなアイデアや、「つくるのも手入れするのも着心地も楽な服」など超現実的な服を提案する人もいましたが、参加者のほとんどが女性なこともあり「普段着ることができない服を着てみたい」という人が多く、デザイン画には淡いピンクやクリーム色などパステル調の色鉛筆で、チュールを素材に用いたロマンチックな服や肌を露出した赤×黒の奇抜な服などが描かれていました。
第2回から第3回の間の約3週間に、参加者はデザインした衣服をスタッフの指導のもとに自分のサイズにあわせて自身で制作していきました。制作場所は帯広中心地にあるビル空き店舗にアトリエを提供し、基本的にはそこでの制作となりました。
参加者は「今まで縫い物なんてほとんどしたことがない」という人が大半を占めていたのですが、悪戦苦闘しながらも「ものをつくる」楽しさをだんだんと感じてきたようで、完成した自分の衣服を見て「私が服をつくれるなんて思ってなかった!」と、驚きつつも達成感があったようです。

9/1(日)の第3回は、第1・2回のワークショップのまとめとしてファッションショーを行い、参加者自身がモデルに扮し、自らが制作した衣服を発表しました。
このファッションショーは、ワークショップの会場であるnIALL(ニアル)カフェ=「家」という日常空間で、住人のモデル達が「パフェ」パーティーを開催するという設定でした。
なぜ「パフェ」なのかというと、色とりどりの材料を意図的に透明な器に盛ってパフェをつくる行為が、重ね着するように衣服を身に纏う行為と通じるものがあると考えたことと、パーティーではワークショップ参加者も観客も一斉に「パフェ」という作品を制作することになるので、それをきっかけとして、お互いが主体的に交流しやすくなることなどを考慮に入れたからです。そこではワークショップの参加者同士の交流を一歩踏み出して、当日たまたま居合わせた観客の方々との交流が自然に発生するような環境をつくることを意識しました。
本格的なヘアメイクを施した美しい姿のモデル達は、予想を上回る観客の数にも動じず道々とステージに立ち、パフェを片手に自らが縫製し身に纏った衣裳について語り合い、観客との交流を大いに楽しんだようです。
今回「衣服」を通して、このワークショップに関わった人々の日常生活において、他分野の人々と交流するキッカケをつくることができたこと、また「あれは何だったんだろう??」と興味を持っていただけたことは、今後いろんな地域でこのワークショップを行っていこうとしている私にとって最初の試みとしては十分な結果を得ることができました。また、私がこの企画を実現できたのは1ヵ月にわたるワークショップの開催前からいろいろお手伝いをしてくださったスタッフの方々やワークショップ参加者の方々のお陰です。この場をお借りして、皆様本当にお疲れ様でした!また、当日御来場してくださった観客の皆様、ありがとうございました!

STYLEプロジェクト 白戸麻衣
*お知らせ*
9/7(土)からホシビル2F空き店舗にてワークショップ参加者が制作した衣服、そして第1・2・3回を通してどんなワークショップが行われたのかを報告する展覧会を開催します。ワークショップ&ファッションショーを見逃した方々、ぜひご覧ください。

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