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            |  | 日時:8月28日(水) 20:00-21:30 場所:インターゾーン(無料スペース)
 前半ターンテーブル・ソロでスタートした大友良英のライブ。
 レコードをほとんど用いず、フィードバック・マシーンとしてターンテーブルを使用するというそのパフォーマンスは、レコードのかわりにターンテーブル上で回すいろいろな器具(?)に目がいく。金属のコイル、スパナ、ゴルフボールの肩たたきのようなスティック、弓、中国の銅鑼などを即興的にあやつるさまは、なかなかローテクでユーモラス。
 針の飛ぶ音やターンテーブルの軋む音が生成する限りなくノイズに近いその「音楽」は、かなりの爆音。帯広の夜空をバリバリつんざき、オーディエンスの五感をグラグラ揺さぶり、そして苦情を恐れる事務局の人間の心臓をバクバクと鳴らした。
 後半は、前半の激しい爆音とはうってかわってしっとりとしたエレクトリックギター・ソロ。
 大友さんが音楽を担当した映画「風花」と、フリージャズの名手、オーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」の2曲を演奏。
 「風花」は昨年亡くなった相米慎治監督へのオマージュとして捧げられ、しんみりと切ない旋律が空気を揺らす。ところどころ入るノイズの要素が耳に緊張を与える。
 一方、悲鳴のような「オンリー・ウーマン」のギターの鳴き音は、オーディエンスの耳をこれでもかこれでもかとがんがん直撃。終わったあと、耳を押さえて「あー」といってる人も多かったが、久々体に心に刺激を受けて、清涼剤を与えられたような音体験に気分は爽快。耳が空気が細胞が喜んでいるのがよくわかる。
 「今夜はよかったね。お客さんがきちんときいてくれてるっていう空気はちゃんと伝わるからね。」といってた大友さんも満足気。なかなか帰ろうとしないお客さんもいれば、なかなか片づけようとしないスタッフと気さくな歓談が遅くまで続いた。
 (ここからおまけ)
 翌日、夏が戻ってきたかのような晴天の中、大友さんはデメーテルを観覧。普段受けない感覚を刺激されたと、とても楽しんだ模様。「新しい作品のアイデアがわいたから、次のデメーテルには呼んでよね(笑)」といって次のコンサート地、札幌へ向かいましたとさ。
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